
こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
歩行を観察していると、
・トウクリアランスが低下している
・フットクリアランスが足りない
こんな表現を耳にしますよね。

あ~たしかに、つい
言っちゃうかも!

“歩行分析してる”って
雰囲気が出るしね。
でも実際には、この2つの違いが曖昧なまま使われていることも少なくありません。
そこでこの記事では、トウクリアランスとフットクリアランスの違いを「いつ・どこを見て・何が原因か」という視点で整理します。
トウクリアランスとフットクリアランスの違い
トウクリアランスとフットクリアランスは、どちらも「足と床との距離」を表す言葉ですが、観察する場所とタイミングが異なります。
ポイントは、遊脚相でどこを見るかです。
✅ トウクリアランス
→ 遊脚初期の、つま先と床面との距離
→ つま先が床から離れる瞬間に注目する
✅ フットクリアランス
→ 遊脚中期の、足底面と床面との距離
→ 足底面が床にこすれてないかを見る

このように、
-
つま先を見るのがトウクリアランス
-
足底面を見るのがフットクリアランス
という整理になります。
トウクリアランスの観察ポイント
トウクリアランスは、つま先が床から離れた直後の動きを観察します。
ポイントは、つま先が引っかからずに振り出されているかどうかです。
トウクリアランスには、
-
強い股関節の屈曲
-
それに伴う膝関節の屈曲

が関係します。また、足関節が底屈位のままになっていないかも要確認です。
下垂足があると、下肢を振り出していても、トウクリアランスは低下します。

観察時は、「遊脚初期のつま先」だけに注目しましょう。
では実際にトウクリアランスが低下している、下垂足の歩容を動画で観察してみましょう。
左の足関節に着目して下さい。
膝が持ち上がるのと同じスピードで、足関節も底屈運動をしているため、プラマイゼロになっていますよね。
よって、トウクリアランスを観察する際は、遊脚初期でつま先が床から離れた瞬間から、遊脚中期までの足関節に着目しましょう!

すぐに底屈したら
要注意ってことね。

うん、そういうこと!
関連記事 下垂足の歩き方!鶏歩の観察ポイントと尖足位との違いを解説
フットクリアランスの観察ポイント
フットクリアランスは、遊脚中期~後期における、足底面と床との距離です。
つま先ではなく、足底面が床スレスレになっていないかを観察します。

フットクリアランス低下は、立脚側への荷重移動が不十分な場合に起こりやすくなります。

立脚側にしっかり荷重できないと、遊脚期が短くなってしまうため、足部を持ち上げる時間が確保できません。

しっかり高度を維持したいけど、支持脚への荷重が不足し、上がり切る前に着地してしまうのが原因です。
よって、矢状面からの観察だけではなく、前額面から荷重移動の量にも注目しましょう。
対応方法の違い
トウクリアランスとフットクリアランスでは、低下している原因が異なるため、対応方法も変わります。
トウクリアランスが低下している場合
下垂足などによる足関節背屈筋の筋力低下が原因であれば、装具の使用を検討しましょう。

トウクリアランスは、筋力トレーニングだけでの改善が難しく、オルトップやアンクルソフトなどを用いて、つま先が底屈しない環境を作ることが重要です。
フットクリアランスが低下している場合
フットクリアランスの低下は、反対側下肢への荷重移動が不十分なことが原因となっている場合があります。

この場合は、立脚側にしっかり体重を乗せるための荷重訓練を行い、遊脚期を十分に確保できるようにしていきましょう。

最初のウチは、平行棒を
使うといいかもよ!

わかった、患者さんに
やってみるよー。
おわりに
さて、トウクリアランスとフットクリアランスですが、どちらも言葉は似ているけど、色々と違いが見つかりましたね。
歩行を観るときは、
-
遊脚初期のつま先なのか
-
遊脚中期の足底面なのか
どこを見ているのかを意識するだけで、評価や対応の方向性が整理しやすくなります。
まずは用語を正しく使い分けながら、歩行観察に活かしてみてください。

それでは、歩行分析が
上達しますように!



