
こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
寝返り動作、意外と難しく感じている方が多いのではないでしょうか?
一瞬で終わる動作だからこそ、分析が難しいと感じることもありますよね。
でも、寝返りには回転力を作る方法がいくつかあります。これさえ理解すれば、動作の評価も訓練もスムーズに進められます。

寝返りの仕組みを理解する
と評価やプログラムが
めっちゃ楽になるんだよ。

へぇ、そりゃいいな。
ここでは、丸太様の寝返り動作を例に、回転力を生み出すメカニズムについて、解説をしていきたいと思います。
丸太様の寝返り動作とは?
通常の寝返り動作では、身体を捻じる「体軸内回旋」により、回転する力を作ります。
ただし何らかの問題を抱える場合、頸部や体幹を捻じることなく、そのままの形で寝返りをする方法もあります。


絶対に捻じれない、丸太の様な
寝返り動作を指すんだね。

うん、丸太が捻じれたら怖い。
例えばパーキンソン病のように、体幹筋がガチガチな人は、回旋運動を使わない、丸太様の寝返りしかできません。
本当に、身体を捻じらなくても、回転しながら寝返られるのでしょうか?
寝返り動作の基本│回転力の作り方
寝返り動作の基本は、回転力をどこから生み出すかにあります。そのためには、まず位置エネルギーや床反力の活用を理解します。
簡単に言うと、動き出す力をどこで作るかがポイントです。

寝返り動作の観察は、
力の使い方が重要だよ!

え、力の使い方?ちょっと
自身ないんだけど…。
それでは、寝返り動作に必要な、“回転する力”の作り方を見ていきましょう。
位置エネルギーの活用
寝返り動作を始めるためには、位置エネルギーをうまく活用することが重要です。
例えば、寝返る側の足を持ち上げるだけで、身体に力を蓄えることができるんです。

その後、ちょっとズラすだけで、重力が力を加速させて回転運動が始まります。

お~!下半身の重さが
力に変わっているじゃん

そそ、力をためて、
一気に使う感じだね。
次は、床反力を使った回転運動を見ていきましょう。
床反力を使った回転運動
次に、寝返り動作において重要なのが、床反力です。床反力は、物を押した時に反発して戻ってくる力。
寝返りの際、この反発力をうまく使うことで、体を回転させることができます。例えば、手や肘を床に押し付けると、その反力が体を引き寄せ、回転に繋がります。
ちょっと動画で確認_
こちらは、腹臥位からの寝返りですね。

床を押す力が、そのまま体を
回す力に変わるでしょ。

本当だ、押すことで回転が
生まれているね。
次は、遠心力を使った回転運動に進みます。
遠心力を使った回転運動
遠心力は、回転運動をするときに、物体が外側に引っ張られる力のこと。寝返りでは、この力を活用して身体を回転させます。
例えば、腕を大きく振る動きで体を回転させることができます。
こちらも動画で確認_
観て頂いたように、遠心力というのは、簡単に寝返りに必要な回転力に変換できますね。

では、観察ポイントに
進んでいくよ!
丸太様の寝返り動作の観察ポイントと訓練方法
ここでは、寝返り動作を観察するための重要なポイントと、それを改善するための訓練方法を紹介します。
上下肢の重りとしての活用
寝返りをするためには、まず上下肢を使って、重心を高くする能力が必要です。

手や足を挙げることによって、重心が上に移動し、位置エネルギーが生まれまれます。
あとは、少しだけ傾けるだけで回転エネルギーに変換ができるのです。

一緒に、頭も持ち上げれば、
もっと簡単になるよ。
丸太様の寝返り動作では、手や足を上げる初動で、回転させるためのエネルギーを蓄えることから始まります。
よって、頸部、肩関節、体幹、股関節の屈筋群の筋トレが重要ですね。
側臥位を保持する能力
寝返り動作を完了した後、側臥位を保持する能力も重要な観察ポイントです。
寝返り後、横向きに寝た姿勢を安定させるためには、体幹や骨盤のバランスが取れている必要があります。

体幹の筋力と安定性が不足して赤ちゃんは、せっかく寝返ったのに、保持できずにころんっと戻ってしまうことがありますね。
側臥位を保持するには、肩や腰の柔軟性だけでなく、骨盤の位置をキープする筋力も求められます。
屈筋群強化
寝返り動作の初動に必要なのは、屈筋群の強化です。
下肢を挙上して位置エネルギーを生み出すためには、股関節屈曲筋群(腹筋や腸腰筋など)の力が不可欠です。

これらの筋肉がしっかり働くことで、足を上げる動作がスムーズに行えるようになります。
特に、腹筋や股関節屈筋群の強化は、寝返り動作を効率よく行うために必須ですね。
関連記事 腹筋で足が浮くのはなぜ?上手に腹筋ができるようになるコツ
体幹の捻じれに慣れる
丸太様の寝返り動作は、体幹の捻じれが全くなくなるわけではありません。
少しでも、体幹を捻じることができれば、寝返りをスムーズに行うことができます。

そのため、捻じれ動作の訓練が必要です。
この訓練には、例えばセラボールを使った左右の転がし運動が効果的です。足を乗せて左右にころころ!

簡単で楽しそうな訓練だね。

最後は、寝返るスペース
の作り方だよ~!
いざり動作の強化
見過ごされがちな“いざり動作”は、寝返り動作の補助となる重要な動作です。
寝返りが苦手な人は、まずベッド上でのいざり動作が上手くできないことが多いです。

ブリッジ運動で、いざり動作を強化することで、寝返りのスペースを作る訓練と、体幹の安定性やバランス感覚も向上します。
ただ持ち上げるのではなく、お尻を持ち上げ、少しずつ左右に移動する訓練で、寝返りの成功率を高めていきましょう。
おわりに
リハビリの現場では、寝返り動作の重要性は非常に高く、基本的な動作の一つとして、患者さんの日常生活に大きく影響します。
丸太様の寝返り動作は、観察ポイントと訓練方法をしっかり押さえることで、効率的に改善することができます。
運動学の知識を軸に、下肢挙上能力や体幹の捻じれを強化し、さらにいざり動作を鍛えることで、より自然でスムーズな寝返り動作を目指して下さい。

それでは、寝返り動作が
観察できますように!


