こんにちは、理学療法士で
専門学校教員のダイ吉です!
本日のテーマは、関節のエンドフィールです。
関節可動域測定では、各関節の最終域で静止させてから計測するのが基本です。
え、いつも適当な所で
止めてたかも…。
それじゃ正確な可動域は
分からないよ。
エンドフィールは、「ここで終わり」と感じる主観的ものなので、セラピストには、ある程度の経験が必要となってきます。
だから慣れるまでは、エンドフィールの種類や特徴を、頭で理解しておきましょう!
エンドフィールの種類と特徴
関節の最終域感を示す、エンドフィールの特徴は、全部で3種類あります。
骨性の最終域感
まず最初は、骨性のエンドフィールです。
関節運動が終わる時、骨同士がぶつかり、コツっとした感覚があります。
それ以上動かそうとしても、必ず止まるので、かなり分かりやすい感覚だと思いますよ!
【代表的な関節運動】
✅ 肘関節伸展
肘頭と肘頭窩の衝突
✅ 前腕回内
橈骨と尺骨の衝突
✅ MP関節屈曲
基節骨と中手骨の接触
プク太くん、やってごらん。
本当だ、ガチっと止まる!
この感覚が、骨性エンドフィールの特徴です。
軟部組織の最終域感
次は、軟部組織性のエンドフィールです。骨性よりも、少しだけ難しいかもしれません。
関節運動が終わる時に、骨の間に挟まれた筋腹が、プニュっと潰れる感覚があります。
それ以上動かそうとすると、潰したボールが反発するように、押し返されると思います。
【代表的な関節運動】
✅ 肘関節屈曲
前腕と上腕前面の筋の反発
✅ 母指と小指の対立運動
母指球と小指球の反発
✅ 膝関節屈曲
下腿と大腿後面の筋の反発
プク太くんの関節なら、
全てこれかもね。
ちょ、それヒドいよ~。
反対に、筋のボリュームが少ない人は、別の感覚になる可能性があるで要注意ですよ。
結合組織の最終域感
最後は、一番難しいとされる、結合組織性のエンドフィールになります。
関節運動が終わる時に、靭帯や関節包がつっぱり、ガチッと止まる感覚があるはずです。
筋肉の場合は、少し抵抗感が小さいです。
それ以上動かそうとすると、さらに伸張したり、関節包の中で骨がずれるので、どこまでが終わりなのか分かりにくいんですよね。
【代表的な関節運動】
✅ 肩関節屈曲
広背筋や大胸筋の緊張
✅ 前腕回外
掌側橈尺靭帯や骨間膜の緊張
✅ 足関節背屈
関節包やアキレス腱の緊張
力を入れると行き過ぎて、
弱いと届かないんだ。
うわ~、こりゃムズいや。
エンドフィールが感じ取れるように、筋肉が硬い人や身体が柔らかい人など、色々な人で練習を反復してみましょう。
評価や治療への活用
たとえ可動域十分な関節運動ができても、エンドフィールに異常があれば治療対象です。
軟部組織性なのに、骨性のエンドフィールがあれば、もしかして栄養状態が悪かったり、筋の萎縮が考えられます。
また、骨性のエンドフィールが、筋性のエンドフィールに変わっていれば、拮抗筋の筋緊張亢進が考えられます。
そんな時は、その筋をストレッチしてみましょう。その後、骨性のエンドフィールに戻るのであれば、それが評価 & 治療になります。
そっか、エンドフィールは
そうやって使うのね。
角度の変化と合わせていくと
考察がまとまるよ!
今までは、角度だけ測って終わっていたROMも、これで幅が広がってきますね。
おわりに
さて、関節を動かす上で重要な、エンドフィールの種類と特徴を解説してみました。
まぁ、とにかく数をこなすことです。
あれ?とか、う~ん…とか、悩んだ数だけ上達しますので、とにかく身体に触りましょう!
それでは、エンドフィールが
上手に感じれますように。