
こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!
突然ですが、ASISとPSISの位置関係、正しく説明できますか?
骨盤の評価では、この2つのランドマークを基準に中間位・前傾・後傾を判断するのが基本になります。

でも、骨盤の動きって
複雑なんだよな。

いや~、そうでもないよ。
実際、姿勢観察の場面で、
これって前傾してる?
それとも中間位なの?
と迷った経験がある人も多いはずです。
この記事では、ASISとPSISの位置関係を基準に、骨盤の解剖と運動学の視点から中間位・前傾・後傾を整理していきます。
骨盤の中間位とは?
骨盤中間位は、ASISよりもPSISの方が、わずかに高い位置(1〜2横指)にある状態です。
横から人差し指で骨盤を触診し、ASISとPSISの高さを比べてみましょう。

大きな差がなく、PSISが少しだけ高い位置であれば、骨盤は中間位と判断できます。

う~ん、PSISは指で
探すのが難しいな。

最初は手のひら全体で
触ると見つけやすいよ。
この中間位が分かると、次に出てくる前傾位・後傾位が理解しやすくなります。
骨盤前傾位とは?
骨盤前傾位とは、中間位を基準にして骨盤が前方へ傾いた状態を指します。
骨盤が前傾すると、PSISがASISよりも明らかに高い位置になります。目安として3横指以上の差があれば、前傾位と判断します。

横から立位姿勢を観察すると、腰が反って骨盤が前に倒れているのが分かります。
骨盤後傾位とは?
骨盤後傾位とは、中間位を基準にして骨盤が後方へ傾いた状態を指します。
骨盤が後傾すると、PSISがASISと同じ高さ、もしくはASISよりも低い位置になります。

横から立位姿勢を観察すると、腰の反りが少ない猫背になりやすく、骨盤が後ろに倒れているのが確認できます。
骨盤の解剖
実は、骨盤は解剖学用語ではありません。

骨盤は、腰椎と連結する仙骨、大腿骨と連結し股関節を形成する寛骨、脊柱の終点である尾骨からなる剛体になります。

ほ~、そうだったんだ。

寛骨は、腸骨・恥骨・坐骨が
合体したものだったね。
骨盤の運動
骨盤は、構成する骨同士が、靭帯で強固に結合されているため、ほとんど動きません。
唯一可動性があるのが、仙骨と腸骨で構成されている仙腸関節になります。

形状は平面関節で、数ミリしか動きません。

え、だってさ、よく骨盤の
回旋って言うじゃん?

いや、骨盤は回旋しないよ?
骨盤は剛体なので、この塊が折れ曲がったり、捻じれたら怖いですよね…。
骨盤の運動については、この後に解説します。
骨盤と股関節の関係
骨盤の傾きは、腰椎よりも股関節の影響の方が大きく、そして重要です。
矢状面での関係(前傾・後傾)
先ほど説明した通り、骨盤は骨の塊です。実際に、骨盤が前傾・後傾するのは、

このように、股関節が屈曲するか、伸展するかによって決まります。
よって姿勢を観察する際は、股関節の傾きと一緒に、全体像を評価しましょう!

なるほど、気づかんかった。

服があると分かりにくいので、
評価する時は注意しようね。
前額面での関係(左右傾斜)
続いては、前額面上の骨盤の傾斜です。脚長差があったり、脊柱の側弯があると、立位姿勢おいて傾きが起こります。

その場合は、落下している側の股関節が外転位となり、反対側は内転位になります。
ということは、股関節の内外転に可動域制限がある場合は、前額面上の姿勢に大きな影響が出てくることになりますね。
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水平面での関係(回転運動)
さて、最後は骨盤の回転運動です。

え、だから回旋じゃないの?

いや、回旋じゃなくて回転!
勘違いしやすいのですが、回旋しているのは骨盤ではなく、両側の股関節です。

身体を捩じる動作では、股関節が内旋、もしくは外旋しているのが分かります。
もっと厳密にいえば、股関節の内旋+屈曲、外旋+伸展の複合的な運動になります。

この動きは、様々な動作に必要になりますので、腰椎の回旋と一緒に評価して下さい。

そっか、骨盤は股関節に
動かされていたんだね…。

だって、骨の塊が勝手に
動いたら怖いでしょ。
姿勢観察において、骨盤だけに注目していたら視野は狭くなります。股関節や腰椎も一緒に評価してみて下さいね。
おわりに
骨盤の運動についてイメージできましたか?
最初は難しいと思いますが、骨盤の評価は触ってナンボです。横から、前から、後ろから!
たくさん触って慣れて下さい。
そのためにも、解剖学と運動学を勉強し、日々の臨床力を養い続けましょう!

それでは、骨盤の評価が
上手にできますように!


