「立脚後期」の筋活動│ヒラメ筋と腸腰筋の遠心性収縮を解説

スポーツウェアで歩く女性。Terminal Stanceのテキスト入り。 動作・歩行分析
ダイ吉
ダイ吉

こんにちは、専門学校教員で
理学療法士のダイ吉です!

立脚後期で観察するべき筋は、ヒラメ筋と腸腰筋の遠心性収縮です。

プク太
プク太

え…、そうなの?

大臀筋かと思ってた。

ダイ吉
ダイ吉

うん、全然違うよ!

歩幅を大きく取る場合、股関節が伸展しているので、大臀筋が重要だ!と勘違いする人が多いです。

そこで本日は、立脚後期で活躍している、ヒラメ筋と腸腰筋の活動を解説します。


立脚後期の筋活動

立脚後期(Terminal Stance:TSt)は、遊脚期に移る準備の相です。

この時期の主役は、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する「遠心性収縮」です。

ヒラメ筋によるブレーキ

立脚後期では重心が前方へ移動するため、下腿が前へ倒れ込もうとします。

ここで、ヒラメ筋の遠心性収縮で「ブレーキ」をかけ、下腿が急激に前傾するのを防ぎ、安定した重心の前方移動を可能にします。

立脚中期から立脚後期のいらすと。ヒラメ筋に目印あり。

もし、ヒラメ筋の制御が効かないと、下腿の前倒れにより“膝折れのリスク”が生じます。

さらに、この不安定さや前倒れへの恐怖心から、反対側の足の歩幅が小さくなり、効率的な推進力が得られなくなってしまいます。

プク太
プク太

へぇ~、そうだったんだ。

腸腰筋によるエネルギー蓄積

重心が前方へ進むにつれ、股関節は伸展していきます。この時、腸腰筋も遠心性収縮を行い、股関節の過度な伸展にブレーキをかけます。

立脚中期から立脚後期のいらすと。腸腰筋に目印あり。

同時に、腸腰筋は強く引き伸ばされます。

この筋肉の物理的な伸張こそが、次のフェーズで足を前に振り出すための「エネルギー蓄積」として機能します。

ダイ吉
ダイ吉

ここで貯めた股関節のパワーは

次の相で爆発させるよ!

立脚後期の役割

立脚後期の筋活動は、単体で完結するものではありません。すべては「次の遊脚期へ移行する」ための強力な事前準備です。

遊脚期に移る準備

この後の遊脚初期期(ISw)でスムーズに足を振り出すためには、立脚後期で股関節が「十分に伸展」していることが絶対条件です。

トレッドミルで歩行する女性。

股関節の伸展角度が不足していると、骨盤や体幹の回旋(代償)が生じ、エネルギー効率の悪い歩行となります。

クリアランスに向けた準備

前述した腸腰筋のエネルギー蓄積は、輪ゴムを引き伸ばした状態と全く同じです。

限界まで引き伸ばされた腸腰筋は、遊脚期に入った瞬間に一気に縮もうとします。

スリングショットの画像。ゴムを引っ張る男性の腕。

この反射によって股関節が強力に屈曲し、爆発的なパワーが生まれます。

この運動力学こそが、つま先を地面から浮かせて引っ掛かりを防ぐ「クリアランス確保」の最大の原動力となります。

プク太
プク太

立脚後期は大事なんだね。

よく分かったよ~。

まとめ

立脚後期の動作分析において、確認すべき要点は以下の3つです。

  • ヒラメ筋の遠心性収縮:足関節背屈にブレーキをかけ、下腿の前傾を制御する。

  • 腸腰筋の遠心性収縮:股関節伸展にブレーキをかけ、次相へのパワーを蓄積する。

  • 最大の役割:引き伸ばしたゴムの力で、初期遊脚期の足部クリアランスを確保する。

やはり、前後の相があってこその分析です。ぜひ、歩行全体が観察できるように練習をしてみて下さい。

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ダイ吉
ダイ吉

それでは、歩行分析が

上手く進みますように!